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⇒@第五話


「うっ」
 
 そう端的に声を上げたセフィロスは、突然ガクンと肩を落とす。まるで急に眠りに落ちてしまったかのような感じである。
 一体全体何が起こったんだか分からない二人だったが、取り敢えずあの鬼畜俺様様セフィロスが消えたことだけは確かなように感じられた。
 
「…だ、大丈夫かな?」
 
 恐る恐るセフィロスに近付いたクラウドが、心配そうにそう呟く。
 ザックスは多分なと口にすると、先程止めたリモコンをまじまじ見つめて何やら考え込んだ。さしずめシャーロックホームズである。
 
 リモコンを見遣りながら唸り声さえ上げていたザックスは、やがてそれを手にすると左右上下に動かしていかにも思案中という様子で首を傾げたりする。その間クラウドはセフィロスが起きやしないものかとヒヤヒヤしていたものだがどうやらそれはいらぬ心配だったらしい。
 そうこうする内、やがてザックスが「なあ」とクラウドを呼んだ。
 
「クラウド、なんかシール無い?」
「は?」
 
 突然のその言葉にクラウドが呆気に取られたのは言うまでもない。シールとはなんだシールとは。お子様でもあるまいに。そう思ったがそれはどうやら理由ある言葉だったらしい。
 
 いかにも事務的な小さなシールをごそごそと取り出したクラウドは、取り敢えずザックスにそれを渡す。"書類の整理、見出しに最適!タックゴールド"という商品名のそのシールは、どっちかというと栄養ドリンク的ネーミングである。まあどうでも良いが。
 ザックスはそれに「鬼畜」と書くと、リモコン様の物体のグルグルダイヤルの目盛りの一つにペタリと貼り付けた。
 
「よし、これでOK」
「は?」
「さっきまでのセフィロスは鬼畜だったろ?きっとダイヤルのメモリをさっきんトコに合わすと鬼畜になるんだ。それが証拠に今は違うだろ?」
「なるほど…」
 
 ははあ、と感心したクラウドは、ザックスの書いた字の汚さを追求する事など到底不可能だという境地に至った。まあ見目は悪いが分かれば問題は無い。
 しかし問題は今はさっきのダイヤル位置とは違うということだ。要するに今もどこかの位置にダイヤルはセットされているわけで、じゃあそれはどういう事なのかというのが問題なのである。
 

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