∈ @HOUSE! ∋
⇒@第五話
預かり物をした。
それは深入りしてはいけないものに違いなかったのに、世の中はそう上手くいかないものである。何故って、人には三種類の人間がいるのだ。
【1】とにかく好奇心を満たすために何でもやってみる人。
【2】面倒なことに関わりたくないので必要なこと以外はスルーする人。
【3】中立でいたいのに何故かいつも巻き込まれている人。
1>3。
故に…、
ザックス>クラウド。
その心は―――――。
「ねえ本当にやるの?いくら何でも厳しいんじゃないかな。だって預かり物なんだしさ、もしセフィロスがおかしくなっちゃったら、俺、責任取れないよ」
「大丈夫!だってもう既におかしいんだろ?」
「いやまあそうだけどさ」
「じゃあ良いじゃん」
「って!いざという時怒られるのは俺なんだぞ!」
人の事ちっとも考えてないじゃないか!
そう憤るクラウドの事など、ザックスはちっともお構い無しである。きっとザックスはそれよりも楽しさの方が上なのである。仮に大変な事が起こったとして、怒られるのが自分だとしてもザックスは同じ事をしただろう。
確かに、今そこに確かめる術が存在していて、確かめたいという気持ちが存在しているなら、それは実に合理的である。というか、そんだけ揃ってるのにやらない方がオカしいくらいだ。
「あーあ…」
そうは思っても、自分が預かったという手前どうしても気が進まないクラウドである。しかしそう言っても場所は既に自宅前だし―――――そう、いつの間にか家の前に着いていたわけで、もう今更嫌だと言っても遅い。
「じゃ、いきますか!」
気合いを入れてそう言ったザックスに、クラウドは溜息を吐きながら項垂れる。そして、とうとうクラウド宅のドアが開け放たれる時がやってきた。
バタン!
「たのもー!!」
道場破りが如くそう大声で叫んだザックスに、クラウドはあわわわ!と慌てる。近所迷惑にプラスしてあのセフィロスにそんな事を叫ぶなんて自殺行為だ。
少しはこっちの気持ちも考えて欲しい。
これじゃあ道場破りならぬ同情破りじゃあないか。
そう慌てるクラウドをよそに「たのもー!」ともう一度叫んだザックスは、その声に続いてドカドカと家に上がり込むと、忠臣蔵の赤穂浪士が如くに大柄な吉良上野介に詰め寄った。まあその場合叫ぶ言葉は殿中でござるに限るのだが、残念ながら此処は屋敷ではないし、さらに残念な事には浅野内匠頭長矩は生きている。
この突然の狼藉者の侵入に細い眉を釣り上げたセフィロスは、今まで読んでいたらしい本をぱたりと閉じた。
因みにセフィロスはこの狭い部屋の窓際でやけに優雅な演出をしており、窓のサンの部分に紅茶などを置きつつ詩集などを読んでいた。残念なのは詩集のタイトルが「ママとぼくちゃん」だった事だろうか。どっから出てきたんだその本は?と謎で仕方が無い。
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