∈ @HOUSE! ∋
⇒@第四話
あれ、そういえば。
――――――ただいま、なんて言ったの、どれくらい振りだろう…?
いつも帰ってきても誰もいないから、そんなふうに言うことも無いし忘れていた。
たまにシド辺りに直面すると活きの良い挨拶なんかされるけれど、こういうのとはちょっと違う感じがする。挨拶のお帰りじゃなくて、待ってくれていたみたいな、おかえり。
何だかそれを思い出す。
「なんか変なカンジ…」
思わずそう呟いたクラウドにセフィロスは無遠慮に首を傾げる。
「何か変か?」
「ううん、何ていうか…」
ちょっと…ちょっとだけ、家族と一緒に住んでいた頃を思い出した。
ただそれだけなのだけれど。
「俺は何か間違った事を言ったか?」
「ううん。別に」
「そうか、なら良かった」
セフィロスはそう言うとそれきり口を閉ざし、また先程までのように一点を見詰め始めた。その脇でクラウドは、一人感慨に耽る。耽って、そしてやがて首をブンブンと横に振った。
違う違う!そうじゃない!
本当はセフィロスは預かり物なんだし。
こんなふうにこの家にいるのだってそもそも間違ってるんだ。校長があんなことを言い出しさえしなければリスクを負うことも無かった。平穏無事な日々を遅れるはずだったんだ。本当は腹立たしくて然るべきなんだぞ!
「……」
そこまで心の中で整理したものの、クラウドはそれでも何だか釈然としなかった。何だかよく分からない。多分昔を思い出したりしたからなんだろうけれど。
「セフィロス」
相変わらずその場でぼうっとしているセフィロスに目を移したクラウドは、取り敢えずそう名前を呼ぶと、振り返ったセフィロスに少し笑顔になってこう言った。
「おなか空いただろ?何か食べよっか」
夕飯も食べ終えてのんびりテレビタイムに入った頃、クラウドの部屋にザックスがやってきた。
ザックスは「よ!」と軽く手を上げて挨拶をかましてくると「邪魔するわ」とクラウドの了承なしに部屋に上がり込む。
「どうしたの、ザックス」
「いや〜、何かこっち居た方が楽しいかなとか思ってさ」
「おいおい」
ニカッと笑うザックスに思わずツッコミをいれたクラウドだったが、だからといってザックスの訪問を拒否するということはない。まあ少し難だなと思うのはクラウドが丁度勉強中だったという部分だろうか。大体ザックスが来ると勉強は続行できない。
「よーセフィロス!元気か?」
肩をぽんと叩きそう言ったザックスにセフィロスは相変わらずの表情で「ああ」と返した。これはあくまでセフィロスの普通状態なのだが、ザックスはそれを見て「つれないなあ!」なんて言う。まあ笑いもしないからそう言う気持ちも分からないでもない。
ザックスはセフィロスの指定席のようになってしまった部屋のど真ん中の脇に胡坐をかくと、隣のセフィロスと、部屋の隅にあるデスクに座っているクラウドとを交互に見遣ってこんなことを言いだした。
「なあ、せっかくこうして三人揃ってるんだしさ、何かゲームでもやろうぜ。一人じゃつまんねえし!」
「ゲーム…」
―――――それがここに来た本当の理由かあああああああ!
クラウドはすかさずそう思ったが、まあ良いやと思って手にしていたペンを置く。
どうせ勉強続行は出来ないのだ、何をしたって同じである。
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