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⇒@第四話


 
 
 
 みっちり授業を受けて帰ってきたクラウドを待ち受けていたのは、勿論の事セフィロスだった。
 そういえばそうだった。彼がいたんだ。
 出かける時には心配で仕方なかったのにすっかりそれを忘れていたクラウドは、ただいま、なんて言いながらセフィロスの動作を探る。そのセフィロスは何をするでもなく部屋の中央で胡坐をかいて座っており、クラウドが帰ってきても首を動かさない。
 
「何やってるの?」
 
 座敷わらしかお地蔵さんみたくなってるセフィロスにそう問い掛けると、こう返答がある。
 
「座っている」
 
 そりゃそうだろう。
 見りゃわかる。
 
「いや…っていうか暇じゃないの?」
「ああ、暇だ」
「……」
 
 ……、としか言いようがない。
 
「あまり暇なので考え事をしていた。だがあまり暇なので忘れてしまった」
「あ、そ、そう…」
 
 もしかして自分が出かけてからずっとこんな調子だったんだろうか。だとしたら何時間こんなふうに過ごしていたんだろう。
 そう思うと何だか唐突にセフィロスに悪い気がして、クラウドは真面目な顔つきになった。もし普通の友達なら、いくら待っていると言ったって何かはしているだろう。
 
 しかしセフィロスは何かをするにも何をして良いか分からなかったに違いない。だからそんなふうにぼうっと過ごしていたのだろう。そもそも友達であってもどこまで許されるかの境界線は新密度によって変わってくるものだ。
 
「セフィロス、ごめんね」
「ん?」
 
 何も思ってないような顔でそう聞き返してくるセフィロスに、クラウドは少しだけ笑ってこう言う。
 
「俺が何も言わなかったから分からなかったんだよな。あのさ、今度からは何かしてて良いよ。テレビ見たり本読んだり。あとシドに断ってくれれば出かけても良いしさ、そういうふうに過ごしてて良いから」
「ほう」
 
 セフィロスは相変わらず何も思っていないようにそう答える。思っていないようにというより本当に思っていないのだ。糠に釘である。しかし知識としては蓄積されたようで、テレビ、本、出かける、などと呟いている。そして最後に「おかえり」と、突然そんなことを言った。
 
 シーン的には正しいが話題的にはちょっとズレていたそれに、クラウドは苦笑しながら「うん、ただいま」と取り敢えず返したものだが、そう口にしてからふっとあることに気付く。
 

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