∈ @HOUSE! ∋
⇒@第三話


「ん〜…でもま!これでセフィロスの奴も立派に暮らしてけるってワケだな」
「まあ」
 
 その暮らしの負担は全て俺ですか、と問いたい。
 が、今しばらくは辛抱である。
 
 そう、何せセフィは預かり物なのだしいつかはどっかに居なくなるのだ。そうしたら負担する事も無いしこんなヒヤヒヤしながら暮らす事も無い。まあそうなるまでに避けられない事実がある事は非常に悲しいのだが―――――…仕方あるまい、起こしてしまった事に土下座する現実だけは避けられないだろう。嗚呼、辛い!
 
「よ!どうだった、今日は?」
 
 今までそこに居ながらサッパリ話に加わっていなかったセフィロスに、ふと、ザックスが話を振る。するとセフィロスは特に表情を変えるでもなく「ああ、俺は友達になったぞ」などと口にした。それは出かけた時にクラウドが言っていた例の言葉である。
 
「へえ、友達?」
 
 ザックスはニヤリと笑うと、
 
「そりゃ良い。俺も混ぜてくれよ」
 
 なんて言う。
 その笑いに何故か気後れしたクラウドは直ぐに答えを返せずにモジモジしたが、その隣に座り込んだセフィロスがフォローするように「ああ」と言った事でその友達の輪は成立した。
 
 最初から友達同士であるクラウドとザックスにとってはそんなのはよっぽど馬鹿らしい事だったし、普通「友達になろう」といって友達になる事など滅多にない。加えてセフィロスなぞはどうしても一緒に居なければならない存在なのだから、わざわざそう言わずとももう既に友達と同じことである。
 だけどそれは、とても分かりやすい友達という関係の始まりだった。
 
「よーし!じゃあ今日から俺たち友達だ!容赦しないぜ!」
 
 容赦しない友達とは何だろうか?
 謎である。
 
「おいセフィロス!友達ってのはさ、困った時に助け合ったり、面白いコト共有し合ったりすんだ。だから困ったときにはすぐに言えよな!」
「考えておく」
「はあ?考えておくって何だよ。言えば良いんだよ、何でもさ!」
「そうか?」
 
 別に笑いもしないでそう頷いたセフィロスは、じゃあ、と言ってクラウドを見た。そうしてもう一度ザックスの方に振り返ると、サクッと真顔でこう言った。
 
「――――――チャック、全開だぞ」
 
 その言葉にザックスが青褪めたのは言うまでもなく。
 
「ば…っ!そういうのは友達になる前から言えっての!」
 
 はずかし〜!などと言いながら急いでジップを上げるザックスを横目に、セフィはボソリと呟く。
 
「折角の友達が傷付くかと思って言わなかったんだが…逆効果だったか?」
「友達だったら言え!即!!」
「そういうもんか」
 
 しらっとしてそう言ったセフィに、クラウドは心の中で…というかもう、表からして苦笑する。友達だからこそ言えないって事もあるよね、と。
 しかしそんな苦笑をすぐさま打ち消したクラウドは、何時の間にやら級友のように話し合っている目前の二人にちょっとだけ笑った。
 昨日まで知らない人だったのに。
 なんか不思議な気分だ、友達って。
 そう、思う。
 
 

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