∈ @HOUSE! ∋
⇒@第ニ話


 奇っ怪・珍妙…正にそんな言葉がぴったり。
 
 クラウドがそんな物体に出くわしたのは昨日のことだった。それは校長からやや強制的に…というか完全に強制的に預かることとなったドデカイ例の物体のことである。
 
 昨日はその物体があんまりにも意外なものだったから、恐れおののきそのまま放置したクラウドだったが、さすがにそのまま放置し続けるわけにもいかないしと、同級生で隣室のザックスに相談をすることにした。
 そして、これがザックスの第一声である。
 
「何だこりゃ!すげー面白そうじゃん!」
 
 その言葉を聞いた瞬間にクラウドがガックシしたのは言うまでもない。どうしようかとアタフタしているから相談したというのに面白そうじゃんとはコレ如何に?
 しかもザックスときたら驚く素振りなどちっとも見せやしない。一体どんな心臓をしているんだとクラウドは心の中で首を傾げてしまったものである。
 
 しかしまあ、ザックスがそう言うのも無理はないかもしれない。何ていったってそのドデカイ物体は、どっからどう見ても普通の人間だったのだから。普通、箱から人間が出てくるとは誰も思わない。しかも全裸で。
 
「ちょっとザックス!真面目に考えてよ!俺、これでも困ってるんだからさ」
「お、悪い悪い」
 
 MISでの授業がすっかり終わって帰宅した夕方のこと、二人は渦中のクラウド宅にて、ドデカイ例の物体を前にどっしりと胡坐をかいていた。未だに箱の中に横たわっている物体は裸体のままで、まるで人形のように目を瞑っている。
 
 しかしこのどっからどう見ても人間でしかない物体は、果たしてどうすれば目を開けるのか、二人には良く分からなかった。というか、人間だろうということはわかっていても、箱詰めされている時点で本当に生きているかどうか怪しかったが。
 
「んーっと。まずアレだろ、コイツが本当に人間かどうか確かめないとな」
「た、確かめるって、一体どうやって!?」
「そりゃあ脈を図るとか色々あるだろ?じゃあまず俺が試しに…」
 
 そう言って、怖いもの知らずなザックスがサクッと物体に手を伸ばす。ザックスの手は迷いもなく物体の手首部分にニュッと伸び、そして脈を図り始めた。
 
「ど…どう?」
 
 それを脇で見ていたクラウドは、へっぴり腰なままで恐る恐るザックスにそう聞く。ザックスは暫く黙っていたが、少しすると「んー」などと唸り出し、最後には簡潔にこう言った。
 
「良く分かんない」
「ええええ!?」
 
 此処まで引っ張っておいて分からないは無いだろう、分からないは!…クラウドはすかさずそう思ったものだが、自分では恐ろしくて触るのも嫌だったもんだから、さすがにそれを口に出すことはできなかった。じゃあお前がやってみろなんて言われたら溜まったもんじゃない。
 
「でもさ、多分コイツ生きてるぜ」
「え?」
「だって、触った感じが柔らかいからさ。死んだら死後硬直ってするだろ。そういう感じはしないから、多分生きてるな」
「生きてる、って…」
 

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