∈ @HOUSE! ∋
⇒@第一話
部屋に入った後クラウドは、荷物を運んでくれたにもかかわらずサクッとザックスに「じゃあね」などと言うと、間髪入れずにバタンとドアを閉めた。ドアの向こうからは「じゃあな〜」などという声が聞こえてくる。…陽気だ。
まあそれはともかくとして、してやったりとザックスに荷物を運んでもらったクラウドは、とうとう部屋までやってきた荷物にやっとこさ手をつけることになった。先ほどはあんな醜態をさらしてしまったが今度はもう大丈夫だ!と、ワケのわからない気合が入る。
「ええと…」
預かり物だから開けちゃいけないんだよな、そう思いながらダンボールを見やったクラウドは、ともかく部屋の隅にそれを追いやろうと踏ん張った。
が、しかし。
「あれ…?」
ガシッとダンボールを掴んだ時、ふっとクラウドの目の中に何か小さな紙切れが映る。
何だろう??
そう思ってしげしげとそれを眺めてみると、それはどうやら取り扱いに関する注意だったらしい。そこには製品番号と、それから保障期間などという文字が書かれている。
「保障期間は無記入になってるなあ…ってことは保障とか無いものなんだ。まさか不良品とかそういうことかな?」
首を傾げてそう呟いたクラウドは、更にその下の方を見やる。すると今度は、やけに神経質そうな字でこんなことが書かれていた。
”この商品は、到着後すぐにご開封下さい”
すぐに、というからにはやはり直ぐに開封しなければならないのだろう。つまりは、今此処で開封しなければならないということだ。
―――――でも。
「ちょっと待てよ。俺はこれを預かっただけであって開封しろとかそんなふうには言われてないわけで…それってどうなんだろ?」
しかし、あのツルピカ校長は確か言っていたはずである。
誰かに奪われたりうっかり壊れたりしたら駄目だから慎重に…というようなことを。
ということは、開封しても問題はないということなのだろうか。まあ普通に考えれば預かっているだけなのだから別に開封せずとも良いのだろうが、それにしたってこのダンボールにはわざわざ直筆してまで「早く開封しろ」と書かれているのである。
「ど、どうしよう…」
もしこれが本当に爆弾だったら死ぬな…クラウドは相変わらずそんなことを考えて、思わずゲッソリする。その場合、隣人であるザックスの胸に抱かれ「今迄ありがとう」というのが決まりの文句なのだが、どうにもこうにもあの隣人はそんな雰囲気ではない。これではいざ死んだ時にもシリアスに迫れないじゃないかと思う。
―――――隣人が変わってからじゃないとうっかり死ねもしないな…。
そんな意味不明なことを真剣に考えたクラウドは、だったらこれは開けるべきじゃないのかもしれないと相当深く悩んだ。もう既に中身は爆弾で当確である。
しかしどうだろうか。
中身が爆弾なら開けても開けなくてもどうせボム!とか何とか言って爆発するに決まっているのだ。
「なあんだ、そっか!どっちみち同じか。じゃあ開けちゃおうかな」
どういう納得をしたのだか分からないがともかく納得をしたらしいクラウドは、早速そのダンボールに手をニュッと伸ばした。それから、ガムテープで頑丈に止められていた部分をビリリリと小気味良く剥がして行く。
「何が入ってるんだろう…」
ドキドキ。
何だか緊張しつつも興奮してきたクラウドは、エアパッキンで厳重に守られていた物体にそろ〜りと手を伸ばした。
そして、表面のエアパッキンをサッと振り払う。
―――――――――――と、そこには。
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