∈ @HOUSE! ∋
⇒@第一話


一体何なのだろう、そう思うクラウドだったが、校長はさっぱりその物体が何なのかを教えてはくれなかった。そろどころかもう既に次の段階に行っているらしく、品物は宅急便で届くからなどと細かい事を話してくる。
 その上、何故だかこんな事まで言ってきた。
 
「良いか、クラウド。ここからが肝心だ。その品物を預けるからには、その間はクラウドに責任があるという事になる。であるからして君はその品物を誰かに奪われたり壊されたりしてはイカン。あくまで預かり物なんだからな」
「は、はい」
 
 そう言われて、クラウドは思わず背筋を伸ばす。
 何だか妙に寛いでしまったけれど、そういえば此処は校長室なのである。それに目の前にいるのは変なオッサンにしか見えないけど校長なのだ。
 
 その校長からの預かり物なのだから、確かにそれは気をつけねばならない。というか強制的に預けておいて絶対守れというのもどうかと思うが、まあそれは仕方ないと腹をくくるしかないだろう。とにかく、預かりものを大切に預かれば良いのだ。それだけの話である。
 
「それからな、クラウド。預かり物はあくまで預かり物なんだから、君はその預かり物に関して色々探ろうとしちゃイカンぞ」
「え、あ…はい。でも探るって…何か問題でもあるんですか?」
 
 わざわざ探るなと言われると、何だか気になってしまう。
 元々預かり物なんだからそれほど弄ろうなんて思っていないけれど、それでもそんな事を聞いてしまうと少々怖くなる。
 
 だって、これがやはり爆弾だとしたらどうなるだろう?
 
 先ほど校長は爆弾じゃないと言っていたが、限りなく爆弾に近いものだったらやっぱり危険である。宅急便だって、もしかしたら「危険物取り扱い」とかいうシールが張られてくるかもしれないじゃないか。
 
 そう思ったらクラウドは、段々とドキドキしてきた。
 頭には、爆弾を誤って触った為に負傷した自分の想像がモワンと浮き上がってきている。この場合、隣家の住人が「大丈夫か!?」と救いに来てくれるにも関わらず自分はあえなくダウン…隣家の住人の腕に抱かれながら「今迄親切にしてくれてありがとうございました」と涙を流して感謝の告白をするのだ。駄目だ目を開けろ!、そう叫ぶ隣人に自分は首を横に振り、そして…。
 
「おーい、クラウド君!生きてるかあ!」
「…はっ!」
 
 ―――――駄目だ駄目だ!ついつい悪い想像をしてしまった!
 やっと現実に戻ってきたクラウドは、慌ててすみませんと謝ると、
 
「で、何でしたっけ!?」
 
 と話を元に戻した。
 がしかしそのときには既に話が終わっていたらしく、校長は「話は以上だ」と言うだけだった。どうやらクラウドが悪い妄…想像をしている間に校長は色々喋っていたらしい。という事はかなり色々なことを聞き逃した事になるが、今更もう一度と頼むわけにもいかない。
 
 ―――――まあ、何とかなるよな。
 
 そう楽観的に思ったクラウドは、結局そのまま何も聞かず校長室を後にしたのだった。
 

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