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⇒@第一話


 ある春のこと。
 ミッドガルにあるミッドガルインターナショナルスクール、通称MISに通っていたクラウドは、ひょんな事から事件に巻き込まれることになった。
 
 まあ事件といったって別に人が殺されたとか拉致されたとかそういう大きなものじゃない。単に、スクールに呼び出されたというだけのことである。がしかし、それはクラウドにとってそりゃもう大事件だったのだ。
 
 だって、まず第一に呼び出しなんて不吉なものに違いない。だってまだテストを受ける時期にも来ていないから「いやあ、君の成績の良さにはこっちもビックリでねえ」なんて話になるはずがない。というかそんな自信ありもしない。
 
 という事は、だ。
 やっぱり呼び出しなんて不吉な内容に違いないのだ。
 
 まさか呼び出しをされるほど酷い生活態度なんかしていないつもりだけれど、もしかしたらどっかで買い食いをしているのが見つかったのかもしれないし、深夜にゲーセンに行ったのを見つかったのかもしれない。っていうか小学生じゃないんだから、そんなんでいちいち言われたくないが。
 
 まあとにかくそんな具合に不吉な呼び出しを受けたクラウドは、やっぱり予想通り不吉な言葉を受けることになったのだった。

 
 
 呼び出されたのは、校長室とか言うところだった。
 MISの校長がどんな人かなんて全然知らなかったクラウドは、プレジデントと名乗るその校長を前にして、おずおずと一礼をする。 それから校長を凝視したもんだが、どうにもこうにも目に入ってくるのはピカピカの頭くらいだった。っていうか強烈だ。
 で。
 
「クラウド・ストライフ君。今日わざわざ君を呼び出したのにはワケがあってね」
「は、はあ…」
 
 校長の前だっていうのに、何とも覇気の無い返事である。
 がしかし、校長はそんなことを微塵も気にしていないようだった。
 
「実はね、君にはちょっとした頼みがあるのだよ」
「た、頼み??」
 
 一体何だろうか。
 こんな覇気の無い一学徒である自分に頼みだなんて、どう考えても普通じゃない。っていうか、頼みたい事があるならゴツイ護衛とか偉そうな教師群に頼めば良いじゃないかと思う。
 それなのに校長は、頭をピカーンと光らせたままにんまりと笑った。…怖い。
 
「いやあ、何だ。何もそんな大袈裟な事じゃあないんだ。君には少しの間、預かり物をして欲しいのだよ」
「あ…預かり物って…そ、それだけ??」
「そう、それだけ」
 
 簡単じゃろ〜、とか何とか笑った校長は、まだクラウドが返事をしていないっていうのに、いやあ悪いなあ!とかさすがはクラウド君!だとか言っちゃっている。
 おいおい勝手に話を進めるな!とツッコみたい。
 といっても相手は校長である。断るどころかそのツッコミさえ入れられない。
 そんな訳だからクラウドは、頼みごとっていうよりも強制だろソレ、と心の中だけで毒づきながら、既に諦めムードでその内容を聞いた。預かるというからには何か品物があるわけである。
 
「それで、その…どんな物を預かるんですか?爆弾とかは嫌ですけど」
「大丈夫大丈夫。まあある意味では爆弾かもしれないけど」
「ええっ!?」
「嘘じゃよ〜!もっとマトモなものだから心配しなくても大丈夫だ」
「は、はあ…」
 
 爆弾よりマトモなものって何だ?
 というか大方のものは爆弾よりもマトモだろうと思うけれど、腐った牛乳とかはゴメンである。ヨーグルトになり兼ねない。

 

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