∈「S−CLUB」∋
⇒何時かきっと会える
「な、によ…これ!」
「見て分かりませんか?貴方がS-CLUBに寄付したギルですよ。それから貢献したと言っている今迄の利用金です」
そう…そこにあったのは束になったギルだった。これにはルーファウスもビックリして「どうなってるんだ!?」と慌ててツォンに聞いた次第である。しかしツォンは何事も言わずに笑うと、彼女に向きかえり、もう一つ、ある物体を突き出した。
「ナンでしたらこれもお返ししましょうか。これは貴方が他店からS-CLUBに連れてきたの顧客のリストです。貴方が貢献しただとか恩があるだとか言うものは全て、私達には必要などありません。お返ししますよ」
そう言ったツォンの言葉に、ホスト連中は自然と笑みを漏らした。何しろ「私達」という言葉には、S-CLUBの全員が含まれているのだ。それは、S-CLUBの結束の固さをちょっぴり思わせる。意見の一致を思わせる。
「ツォン、貴方――――――…」
悔しそうに唇を噛み締める彼女に、ツォンがキッパリ言い放つ。それは、ルーファウスをも仰天させる内容だった。
「私はもうあの店には戻らない。ルーファウス様は貴方になど渡しません。心配しなくてもいつかきっと会えますよ――――思い出の中でね。今でもまだ私を困らせたいと…S-CLUBを潰したいと思うなら、ルーファウス様よりも魅力的な人間になってみる事です。まあ…無理でしょうけど?」
―――――――シーン…。
ホスト連中は開いた口が塞がらず、ルーファウスはその人にあるまじき事だったが一瞬にして真っ赤になった。
ツォン…この男、大胆不敵。実はかなり侮りがたし!
そんなツォンのビックな裏側を垣間見たホスト連中+オーナーは暫く固まっていたものだったが、その内スクッとザックスが立ち上がったことでその場の雰囲気が一転した。
「そうそう!オーナーは俺らのオーナーなんだぜ、S-CLUBのドンなんだぜ?誰かにやるなんてできるかってーの!」
幾分お遊び気分でそう叫んだザックスに、何がどうなってそうなったんだか、ザックスの顧客が続いた。
「そうよそうよ〜」
意味を分かってそう言っているのかどうか分からないが、彼女達はザックスと一緒にハッスルし始める。そこにセフィロスとヴィンセントが、
「まあ、そういう事だ。諦めるんだな」
なんて言ったものだから、この二人の顧客達も「そうよね〜」なんて、これまた意味が分かってるんだか分かってないんだか知らないが、そう口々に言い出した。クラウドも思わず笑みを漏らして、「うん、俺らのオーナーだもんね!」なんて言ったから、クラウドのテーブルにいた客も「私達のオーナーだし」とちんぷんかんぷんなことを言い出した。
そんな妙なテンションに包まれたS-CLUBの中で、彼女はそれでも不敵に笑っていたが、最後には「そうね、そうかもね」なんて納得をする。
但し、彼女はツワモノだったためにそれだけでは終わらなかった。
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