∈「S−CLUB」∋
⇒何時かきっと会える
これは危機だ、オーナーの危機だ!と誰しもが思っていた。
だから仕事が終わった後、セフィロスとヴィンセントとザックスとクラウドは、珍しく一つの部屋に集まって頭を付き合わせて唸っていた。
「あれはヤバイな…」
セフィロスの一言に皆が頷く。
「オーナーは迫られていたのか…しかもどうやら8年も前から。あれは悪質だな」
身に覚えがあるんだか、ヴィンセントが心底同情してそう言う。
「やべえな…やべえよな、絶対」
「うん。やばい」
ザックスとクラウドは溜息を吐きつつ腕組なんかをしている。
皆には8年前の事情なんかは分かりもしなかった。セフィロスは一番の古株だったが、S-CLUBに入ったのは7年前の事なので、それよりも前のことはやはり知らない。無論、ルーファウスとツォンの対立時代とかいうものも知るはずがなかった。
「問題はあの女が今でもオーナーを狙ってるということだ。何とかして諦めさせる方向に持っていければな…」
「でもさ、あの人は単にオーナーと結婚したいだけなんだよね?そう考えると別に悪いって感じでもないよね」
セフィロスの言葉に次いでそう言ったクラウドだったが、それは一瞬のうちに叩かれてしまう。
「バッカ!そりゃ違うぜ、クラウド。オーナーはあの人が好きなわけじゃないし、それにあれは脅迫なんだ。言ってたろ、恩があるとかどうとか。つまりアレだ、あの人はそれをネタにオーナーをモノにしようってことなんだぜ」
「そうだ。しかも8年前といえば多分S-CLUBの開店頃だろう。だから恩があるとすれば、経営に関する何かだと考えておかしくない。つまりあの女性の脅迫とは…」
ザックス・ヴィンセントの言葉に、セフィロスが続く。
「自分のおかげでこの店はあるんだから従え、という感じだろうな」
「そ、そうだったんだ…」
あまりに軽率だったと思い、思わずクラウドはしゅんとしてしまう。しかしそんなクラウドを慰めるようにザックスがその肩をガシッと抱くと、ニッと笑ってこう言った。
「そんなの許せねえだろ?いくら普通じゃないってったって、オーナーは俺らのオーナーなんだぜ?オーナーが困ってるってんなら、俺らがオーナーのこと助けなきゃ!だろ?」
セフィロスとヴィンセントもふっと笑って頷いている。
「俺達はS-CLUBのホストで、オーナーはS-CLUBそのものだ。オーナーを助けるということはS-CLUBを守るってことでもある」
「その通りだな。私も異論は無い」
ココに、意見は一致した。
なんとしてでもあの客からオーナーを助けよう。例えその8年前の事実を知らないとしても、今のS-CLUBはオーナーと自分たちで成り立っているのだから。
「うん…うん、そうだね!」
クラウドは元気一杯に頷くと、よーし、とコブシを握った。
―――――が、その時。
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