∈「S−CLUB」∋
⇒何かちょっと幸せ


「嘘!?毎日そんな事してんの!?」
 何だか良く分からないけど、羨ましいのとショックなのと色んな衝撃でもってクラウドはそんなふうに聞く。それはいかにも興奮気味だったが、しかしセフィロスの方はといえばシラッとしてこんな答えを口にした。
「嘘に決まってるだろ」
「…え。」
「だから、それは嘘だ。毎日そんな事してみろ。疲れるに決まってるだろ」
「…はあ。まあ…」
「さあ、クラウド。続きを」
 そう促されたので、クラウドは仕方なくさっきの続きの会話をし始めた。確か、夜の仕事なんてお肌も大変だね、なんて話をしたところだから、その続きとしてはやはり仕事関連だろうか。それを考えて一瞬、お客さんと恋愛なんかに発展しちゃったりするの?なんて口をつきそうになったが、それはこの職業柄、あまりにタブーだったことを思い出してクラウドは口を噤んだ。
 しかし、恋愛のネタはやはり気軽でいいかもしれない。…男の好みだけは抜かして。
「えっと、じゃあ恋愛の話とか…しちゃっても良いかな?」
「恋愛?」
「うん。俺ね、此処に入る前はすごく好きな人がいたんだ。けどフラれちゃって…やっぱ失恋ってショックだよね〜」
「何!それは本当の話か?」
 どうしたことか、セフィロスは突然そんなふうに素に戻る。しかしクラウドはあくまで「修行」としてその会話をしていたので、そう言われても「そうだよ」と普通に答えただけで、セフィロスのその驚きも「芝居」としての驚きだとそう思っていた。
 で。
「俺、男として魅力ないのかなあ…何だか時々そう思うんだよね。女の子はやっぱり、男に対して"守って欲しい"って気持ちがあるでしょ?俺はそのつもりでいるのに、何かこう…頼り無いのか何なのか分からないけど、駄目みたい」
「そんな事はない。お前は十分魅力的だ」
 セフィロスが真顔でそんなことをキッパリと言ってくるもんだから、クラウドは内心ビックリするやらドキドキするやら落ち着かなかったが、しかしそれでも「これは修行で、セフィロスはあくまで客としてそう言うんだから」と思って、にっこりと笑ってみせた。ありがとう、という言葉を添えて。
 それからクラウドは、また新たに話題を出そうとした。が、それは突発的にセフィロスに破られることとなる。しかもセフィロスの口にした言葉は、先ほどの会話の延長線上だった。
 

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