∈「S−CLUB」∋
⇒何かちょっと幸せ
新米ホストのクラウドは、ある日こんなことを言われたものである。
それはあのオーナーの口から。
「クラウド、個人売上が下がってるぞ。このままではいかんな」
「は、はい…」
何を言われるかビクビクしているクラウドの目前でルーファウスが最終的に言った言葉は、これであった。
「よし、セフィロスと一緒に修行だな」
「えええええええっ!!!???」
その叫び声は、平和なS-CLUBに響き渡った。
さて、その修行とはどんなものなのか?
ルーファウスは「修行だ」なんて言っておきながら、「じゃ、宜しく」とか何とか言ってそれを全てセフィロスに一任してしまったものだから、その詳細なんてさっぱり分からなかった。頼まれたセフィロスの方だってちんぷんかんぷんである。
だから思わず首を捻って修行者のクラウドに聞く。
「で?何をどうやって修行すれば良いんだ?」
「さ、さあ…」
「さあ…って。それでは分からんだろう」
「いや、だって。俺もいきなり、修行だ、って言われただけで内容も何にも聞いてないんだよ」
これは困った事態である。
何をどう修行するかなんてセフィロスにはさっぱり検討も付かない。ただ、それが何の為の修行かという部分に関してだけは、ルーファウスから何を聞かなくとも何となく予測はつく。売上を上げるため、という予測は。
その売上を上げるという最終目的の為に必要なのは何といっても―――――そう、ホストの価値というやつである。そのホストに存分な価値があれば客はそれだけの金を貢ぐという世界なのだから、つまりこれはクラウドのホスト価値を上げるしかないわけで。
とはいえ、現状だって「可愛い」と黄色い声を上げられているクラウドだから、価値が無いなんて事はありえない。ただ、それをもっと増幅しなければならないわけである。
という訳で。
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