∈「S−CLUB」∋
⇒何もないけど、これだけはきっと
S-CLUBナンバーワン・セフィロス。
S-CLUBナンバーツー・ヴィンセント。
…因みに裏指名ナンバーワンがオーナー。
このそうそうたる面子の中でいつも地位を築けない人がいる…そう、それは、ザックス。
ナンバーワンとかナンバーツーとかいうのは指名度とか顧客数というのも関係あるが、やっぱり何だかんだ言って一番は「売り上げ」というやつである。
これは彼らの仕事からすると、いかに客に指名させいかに客に酒を飲ませるかというのがポイントとなるわけで、目下ナンバーワンとかナンバーツーとかの地位を築いているセフィロスやらヴィンセントというのは、つまるところ客から指名されるようにするのが上手く、更に客に酒を煽らせるのが上手いということになるわけだ。
しかし、実際そうであろうか?
…いやいや、S-CLUBはちょっぴり変わったホストクラブだったので、実はセフィロスもヴィンセントもそんな世間的なルールに則って売り上げを上げているわけではなかったのである。
じゃあどういうふうに、と思うだろうが―――――――実は。
「はあ…良いよなあ、セフィロスもヴィンもさあ」
大きな溜息なんかを付いて床掃除をしていたザックスは、隣でテーブル拭きをしているクラウドに近付くと、俺ってどうよ?、なんてワケの分からんことを聞いてくる。
クラウドはそんなザックスに笑いかけると、
「どうしたの?ザックスらしくないじゃん」
そう答えた。
しかしクラウドは、何故ザックスがそんなことを言ってきたのか大体の見当はついていたりする。そう…数日前のアレが原因だろう。
S-CLUBでは色々な視点から従業員を評価し、数ヶ月に一回のペースでナンバー更新というのをする。ナンバーというのは例のナンバーワンだとかツーだとかいうアレであるが、この店のホスト連中は何せ4人しかいないので、中堅といえるものが存在しない。二番手までが合格、三番手からは駄目だしという具合で、この更新の度いっつもザックスは三番という辛苦を舐め続けていた。
で、つい数日前、その更新があったのである。
結果はいわずもがな…三番。
言うまでもなくナンバーワンはセフィロス、ナンバーツーはヴィンセント。新米のクラウドはまだ慣れ切ってはいないから四番手であろうとも許されるが、ザックスはそこそこ在籍しているにも関わらず一向にナンバーが延びないのでいつもオーナーのルーファウスに嫌味を言われていた。
「万年床掃除、だな」
…と。
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