∈「S−CLUB」∋
⇒何かあなたに


 S-CLUBには社宅がある。
 これは結構大きいマンションで、S-CLUBの従業員は全員そこに住んでいた。
 勿論これを建てたのもオーナー・ルーファウスである。オーナー自らもそこに住んでおり、オーナーの家は最上階全てというふうになっていた。…実に贅沢。
 で、その他のセフィロス・ヴィンセント・ザックス・クラウドはその下の階の家を使用している。
 因みに並びは、セフィロス・ヴィンセント・ザックス・セフィロス・クラウドの順なのであるが、ココで疑問が一つ。
 そう…セフィロスの家は何故二つあるのか?
 実はコレ、一つはセフィロス専用に与えられた趣味の部屋だったのである。
 何でこんなことが許されるかといえばそれはやはりセフィロスがナンバーワンだからだろう。とりあえずクラウドはそう思っていた。
 クラウドは自分の家の隣がセフィロスの家であるというこの事実を大層気に病んでいる。いや、病んでいるというか緊張しているといった方が近いかもしれない。
 とにかくセフィロスとはお隣さんなわけで、朝ばったり会った時なんかは当然「おはようございます」を言ったりする。それは他の人も同じことだが、しかし…。
 セフィロスの本来の家はヴィンセントの隣なのであって、クラウドの隣の部屋というのはあくまで趣味の部屋である。それなのに何故だか最近、その趣味の部屋にばかりセフィロスはいるようで、明らかに顔を合わせる機会が多いのだ。
 何てったってセフィロスはナンバーワンである。
 同じ人間といってもクラウドにとっては凄い人なのである。
 この凄い人が毎日壁の向こうにいると思うと何だかどうも落ち着かない。いくら仕事仲間で話だってするとはいってもやはり、これはどうしようもない。
「はあ…セフィロス、今日もこっちの部屋にいるんだろうなあ」
 仕事前、クラウドはそう零して溜息なんかをつく。
「それにしても趣味の部屋っていうけど…セフィロスの趣味って何なんだろう??」
 ――――――――それは、かなり疑問だった。
 
 

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