「死なせない。そんなのは嫌だから」
「それって分が嫌だからだろ?」
副社長、俺は副社長のこと嫌いじゃないよ。
だけど副社長は俺自身を必要としてるわけじゃないよな?俺がいなくなったら、自分が悲しいから、自分のためにいなくなってほしくないんだよな?
ほら、やっぱり同じだ。
誰も俺を必要としてないんだ。
俺自身はどうでもいいんだ。
「じゃあ……」
俺は試した。
多分最低なテストを、副社長にしいたんだ。
誰か俺を殺してくれればいいのに。
抵抗なんて一切しない。
だけど俺は死ねなくなってしまった。なんてザマだ。ほんとに笑える。笑えすぎて涙が溢れた。
『……わかった。そうしたら信じてくれるんだろう』
最低なテスト。
地上60階。
ホテルの一室。
『嘘じゃないならここから飛び降りろよ。そのくらいの覚悟じゃないと信用できない』
副社長は、俺の言うとおり、そこから飛び降りた。
即死だった。
死にたいと願いながら、心のどこかで生きていることにしがみついている。生きるために生きる意味を探してる。他人の生きる意味を奪いながら、なんとかして自分を保とうと這いずり回ってる。
なんて残酷なんだろう。
「俺も、逝っていいかな?怒るかな?」
この世界から消えたら、俺はもう迷うこともない。疑うこともなく、きっと抱き締められるだろう。必要とされることに縛られることなく、きっと…。
人を愛せるだろう。
END
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