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すでに自分が優位に立っていることは分かっていた。
どんな事をしてもどんな事を言っても怒りもしない、それどころか常に俺の機嫌を窺っている。
虜。
この言葉が良く似合う。
アンタは何時の間にそんな柔になっちまったんだ?
アンタは俺の知ってるセフィロスなのか?
俺の知ってるセフィロスは下らない話なんかキライで我が道を行く孤高の存在だったのに、何時の間にアンタはそんなに落ちぶれちまったんだ?
俺なんかの……
俺なんかの言葉にビビッたり、俺の一挙一動に動じたり、そんなのアンタじゃない。俺は優位に立ちたかったわけじゃなくてあんたと対等に渡り合える存在になりたかっただけなのに。
「食事に行こう、ザックス」
「やだよ」
「じゃあ何だったら良い?」
「何だったらって…」
どうにかして俺が首を縦に振る答えを見つけようとするセフィロスは、ある意味では滑稽だった。
あんなに強い人が、俺の言葉に怯えてる。
何故かってそんなの決まってるんだ、拒否されるのが恐いから。誰だってそうだ、拒否されるのは恐いし嫌だ。
でも俺如きの拒否に怯えるなんて、俺は何だか嫌だった。
「おまえは俺が嫌いか?」
「別にどっちでもない」
「そうか?最近のお前はつれなさ過ぎる」
「そうかな?俺にはセフィロスが甘くなったように思えるけど」
俺の言葉は嘘じゃなかった。
だけど優しい言葉なんかじゃなかった。
優位に立っている俺がこう言えば相手は傷付くと分かってた。でも俺には出来ない、優しくするなんて。
「そういうのは嫌いか」
「ああ、キライ」
そうか、とセフィロスは納得するかのような言葉を口にして、その後ずっと黙ってた。心の中じゃまるで納得してないしむしろどうしたら良いかって悩んでる。それが俺には分かってた。でも俺はフォローなんて出来ない。
そういうふうに時間は過ぎていく。
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