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愛しているから、愛して欲しい。それは単なる願いの範疇の考えであって、強制力はまるで無い考えである。愛しているからといって、愛されるとは限らない。愛するということと愛されるということはまるで別物だからだ。
それは知っている。
重々承知している。
でも…それでも、愛されないことが悲しいと思ってしまうこの心は、きっと、どんな心よりも弱いのだろう。
「良かったな、ルーファウス。お前が待ちに待った社長就任が叶ったじゃないか」
「ああ、至福の極みだ」
チャリン…
乾杯の音が鳴る。
神羅の社長に就任したのは、つい一週間前のことだった。これから私は社長としてこの会社と、そしてこの世の中を支配していく。勿論、方向性は決まっていた。恐怖政治だ。
強制的に恐怖を埋め込めば、それに逆らうものはいなくなる。甘ったるい考えを残すと、その隙間から醜いアイツラが文句を言い出すに決まっているのだ。
私はそんな野暮でだらしない政策などしない。ずっと決めていたのだ。全てのものを従わせるのだと。
「この世のものは全てのお前の思い通りだ。嬉しいだろうな、お前は。もうこれ以上欲しいものなどないだろう?」
「欲しいものか…」
私は目前のセフィロスを見遣った。
欲しいもの…。
もしそれを許されるなら、私は目前の男が欲しいと願っていた。しかし、私は知っているのだ。絶対にそれが不可能だということを。
「もし…お前が欲しいと言ったら?お前は、私のものになるのか?」
冗談のようにそう言った。別に、単なる話のネタとしか思っていなかった話題だった。それなのに、セフィロスはギャンブルでもするように口端を上げて笑う。
「そうだな。もしお前がそれを望むなら、そうしてやっても良い」
「正気か?」
「勿論。誰かのものになることは簡単だ。例えば…そう、お前がこの星の民を力でねじ伏せるのと何ら変わりないことじゃないか」
「え…?」
私は言葉を失った。
まさか、そんなふうに言われるとは思ってもみなかった。まるで政策の一環であるかのようなその物言いは、腹立たしさではなく悲しさを連れてくる。何故か?…その理由は既に分かっている。手に入らないことが改めて証明されたからだ。
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