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飛び回る蝶のようにひらひらと、気紛れな猫のようにふらりふらりと、貴方はどこかへと消えてしまう。
秋空の雲のようにうっすらと、水面の波紋のようにゆんらりと、いつか、貴方の中の私も消えてしまうのでしょう。
貴方が好きだと言ったから伸ばし続けた髪も、貴方が欲したから身につけた能力も、そろそろ私には馬鹿らしく思えてきていた。今まで幾度怒鳴ろうかと思ったろうか、数え上げれば限りが無いが、しかしそれでも私にはそれができないでいる。
勝手気儘。
あの方にはそういうことばがよく似合っていると思う。
あの方が望んで始まった関係は、受け入れた私により継続し、しかしあの方の望みで今度は崩れさろうとしている。
私は一度出来上がったその関係にすがりついてどうにかして修復しようと思っていたが、私の努力はあまりにも虚しいだけにおわってしまっていた。
私がどんなに努力しようとあの人の心はもう戻らない。なぜならあの人は気紛れで、そもそもここにいようとなど望んでいなかったからだ。そう、あの人が望んでいたのは関係の開始と、そして私の心をかすめ取ること。そこには継続という意志などそもそもなかったのだ。
「おまえは案外としつこい男だな。どうしてわからない、こういうのは大人の世界にはありがちな話じゃないか」
「ありがち?」
毎夜どこかへと出かけては知らぬ香りをつけてくるその人に、私はある日少々の怒りをこめて問いただした。
いったいどこへいっているのか、何をしているねか、誰といるのか、そして私をどのように思っているのかと。
しかしその人の口から齎されたのはそんな言葉でしかなく、それは当然ながら私を憤慨させた。が、怒鳴るなどということはできない。いや、そもそも怒るということ自体できないことだったのだ。
「楽しそうだから近づいただけ、ほかに興味をそそるものがあれば当然そちらに出向く。こんなのは誰でもやっていることじゃないかツォン。今や常識だ。まあ古めかしい考えのお前はそれに反対していたけどな」
そう、私は反対していた。
それは間違いだとそう思っていた。
「確か前もこんな話をしたな?そうだ、それこそ関係の始まった夜のことだ」
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