∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒そして眠りの海へ
業者はレノにこてんぱんにされた事で「ヒイッ」とか何とか言って走り去ってしまった。そりゃ誰だってそうだろう、仕事に来ていきなりそんなんになったら去りたくもなる。
そんなこんなですっかり探し物すら探せなくなってしまったルーファウスの隣で、レノは独り落ち込んでしまった。
――――――やっちまった…。
すっかり浮気だと思ってマジになってしまったらこの事態…本当に報われない。だってルーファウスの探し物すらもう探せなくなってしまったのだ。こういう場合、どんな言い訳をしたところでレノが悪い事に代わりは無い。
「…悪かったぞっと」
結局そう謝ったレノは、じゃあ自分が海に探しに行く、と言った。業者がいなくなってしまったなら仕方無い、自分がやるしかない。それがせめてもの行為である。
「それで、探し物ってどんなモノなんだ?」
「ああ、双眼鏡なんだけど」
「え。」
―――――――――双眼鏡?
もしやそれは…あの双眼鏡だろうか。レノはそう思って、ふと家に置いてきた双眼鏡を思い出した。あれは確か釣ったものだったから、元はといえば海にあったものなのだ。とすれば、あの双眼鏡の持ち主がルーファウスだという事も十分に考えられる。
しかし、レノには分からなかった。
だってルーファウスはいっつもレノに魚を摂ってこいとかクラゲをとってこいとか言うばっかりで、自分は豪遊していたのである。そんなだったら双眼鏡なんて使う必要はどこにも無いのに、探すほどまで大切なものなのだろうか??
「え…っと。その双眼鏡って、そんなに大切なのかな、っと。それに海に落すとか考え難いけど」
「失礼だな、私だって海に来るんだぞ。それにアレはすごく大切なものなんだ」
「へえ、大切な…ね」
一体どんなふうに大切なんだろうか?
そう思ってレノが、どういう時に使うもんなのかと聞いてみると、ルーファウスは途端に口を噤んだ。そうして、レノをじっと見遣る。
何だか何時に無く真面目な顔をしているから、レノは思わずドキッとしてしまう。一体全体、あの双眼鏡には何が隠されているのかが気になって仕方無い。
そうして暫く静かな感じが続いていると、やがてルーファウスはポツリとこう言った。
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