∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒あなただけ感じてる


 今のご時世、男もエステして何ぼという時代である。
 そんな悲しき時代に産み落とされたルーファウスは、それを逆手にとってメンズエステ事業を展開していた。因みにルーファウスはその他にも、ホテル事業とか不動産事業とかを手がけている。カモーン公安委員会、風営法もバッチリだ。まあどうでも良いが。
 そんなルーファウスは、自分でもこのエステを利用するのだが、どうにもこうにも満足がいかなかった。
 別に腕が悪いとかそういうことじゃない。
 そうじゃなくて、何かが足りない気がするのである。
「うーん、何だろう?一体何が足りないんだろう??」
 ああでもこうでもないとブツブツ呟くルーファウスの顔やら体やらに、ご自慢のエステティシャンがちょちょいのちょいと魔法を加えていく。それはとっても気持ちが良くてうっとりするほどなのに、やっぱり何かが足りないのだ。因みにルーファウスを担当しているエステティシャンは、毎年この業界で行われるコンテストで連続優勝を果たしているキング・オブ・エステティシャンである。
 そんな彼に向かって、あろうことかルーファウスはサクッとこんなことを言った。
「どうもお前のやり方は飽きてきたぞ。もっと何か無いのか?」
「えっ!そ、そう言われましても…」
 技術も何もかも認められている彼にとって、それ以上のものなんて当然存在しない。何しろ全世界でナンバー1の彼なのだ。その彼を捕まえて、それ飽きただとか何だとか言っちゃってるのだから困ったもんである。とにかく、彼にはそれ以上のものはない。現状が最高級なのだから。
「おい、ちょっと他の奴に代わってくれ」
「えっ、他の者に…ですか?しかし生憎と今は新人しか…」
「別に新人でも良いぞ」
 草木も眠る丑三つ時にのこのこやってくる迷惑極まりないルーファウスの為に通常勤務後もこうして働いているというのに、なんということか新人に代われなどという…最早イジメである。何がかなしくてキングから初心者にバトンタッチせにゃならんのか。
 そう思いながらもキングな彼は、渋々新人と作業を変わった。
「お前が新人か。よし、ちょっとやってみろ」
 足音だけで新人がやってきたと判断したルーファウスは、どうせ新人だし、と大した期待もせずにその身を明け渡す。が、しかし…。
「こ、これは―――!」
 それは、ルーファウスの中に電撃が走った瞬間だった。
 
 

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