∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒したいから、させて
「分かったよ、手数料払うよ。で、いくら?」
クラウドがそう聞くと、業者はにまっと笑った。…何となく嫌な予感。
「んー、ウチの業者って手数料高いんだけど大丈夫?」
「大丈夫?、って…だって払わないと仕方ないだろ」
一体どのくらいバカ高いんだろうと心中ドギマギしつつもそう言うと、業者はにまっと笑ってこんな事を言った。
「じゃあ、茶」
「は?」
「いや、あんまり高いから、茶でも出してくれたらまけとくんだぞ、っと」
「そ、そうなのか?」
茶を一杯出すだけでまけて貰えるならまあ良いか。そう思って、クラウドはそそくさと業者を招き入れる。で、茶を出す。
業者はその茶を美味そうに飲み、更には「俺はレノ」と自己紹介までして帰っていった。一体何のこっちゃという感じだが、ともかくこれでバカ高いらしい手数料を払わずに済んだのである。
その三日後のこと、クラウドはまたしてもカーム通販サービスに注文をしていた。勿論健康グッズを買うためである。
先日購入したばかりのダンベルとウォーキングマシンはなかなか良い塩梅だったが、ダンボールに一緒に入っていたカタログを見ていたところ、もっと良さそうなものを発見してしまったのだ。
そこには「絶対に秘密です!貴方だけへの朗報!」とかいかにも怪しげなキャッチが載っている。しかも写真なんてまるで載っていないからどういう物体かも想像できない。まあ普通だったら確実に手を出さないところだろう。
しかしそこには、「まずは無料でお試し下さい」とも書かれていたから、クラウドとしてはちょっとそいつを試してみようという気になったのだ。
そんなわけでそそくさとソイツを注文したクラウドは、それが届く予定の日、やっぱり家にいなければならなかった。料金は無料だけれど、きっと手数料とやらは取られるのだろうと思いつつソイツの到着を待つ。
で、ソイツが届いたのはやっぱり午後の三時だった。
いかがわしいその物体を運んできたのはこの前と同じ業者で、赤髪をしたレノという男である。レノはこの前と同じふうにダンボールを手にしていて、それをクラウドに手渡すと手数料の話をし始めた。だもんだから、クラウドはここぞとばかりににっこりと笑う。
「茶でも飲んでいくか?」
「お、気が利くな」
――――――――――――ビバ・茶!!
そりゃ当然、バカ高い手数料などは茶でカバーである。前回同様そうするに決まっている。
茶を出されたレノは「じゃあ手数料はチャラだな」などと言いクラウドをにんまりさせたものだが、暫く世間話などをしてきたもんだからクラウドはそれに付き合わねばならなかった。まあこのくらいは仕方ないかとそれに付き合っていたクラウドだったけれど、何故だかそれは延々と続き、それが終わる頃には何とビックリ六時になっていたもんだ。
「あの、レノ…時間が…」
「あー時間なら大丈夫大丈夫!」
お前が大丈夫でも俺は大丈夫じゃないんだよ!と心の中で激しくツッコんだのは言うまでもないが、手数料をチャラにしてもらった手前そんなことは口に出せず。
仕方がないから、クラウドは動作でそれを伝えようと試みた。
つまり、届いたダンボールが気になって仕方ないというふうに動き始めたのである。
ゴソゴソ。
クラウドはレノとの話を打ち切ってダンボールを開け始める。
きっとそうしていればレノだって帰るだろうと踏んだのだが、何故だかレノはそんなクラウドを面白そうに眺めているだけで帰る気配なんて一向に無い。
それどころか。
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