∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒気持ちが溢れそうなの
気持ちが溢れそうなんです。
なので、好きだということを伝えます。
もし良ければ付き合って下さい。
とっても簡潔なそのメールが来たのは、昨日のことだった。
見たことも無いメールアドレスからメールが送られて来て突然そんな事を書かれた場合、誰だってビビること間違いない。
えーうそ、マジ!?すげー嬉しい!!――――と歓喜したいのはヤマヤマなのだが、一体どこのどんな奴がそんなことを書いてきたのだか分からないのだからうかうか喜ぶわけにもいかないわけだ。これがチェーンメールだったりしたら最悪である。喜び損である。
であるから、こんなメールを貰ったクラウドは、まずこのメールに返信することをしなくてはならなかった。
「えーっと…"あなたは誰ですか?"っと…」
クラウドは携帯をポチポチと打った。で、送信する。
これでOK、後は返信が来るのを待つのみである。
「お、クラウド何やってんだよ?」
そんなクラウドの脇に同じ仕事をしている仲間であるザックスがやってきて、ひょいと携帯画面を覗き込んだ。携帯の画面には「送信しました」という文字だけが残っている。
「メールかあ、お前もとうとう文明の利器を使うようになったか」
「ザックス、そういう言い方やめてよ。俺が時代遅れみたいじゃん」
「え、違うのか?」
「……」
―――――――ザックスは時々、素で失礼である。
まあ素なのだから仕方がないが、それにしたって料金未納で携帯を止められているザックスにそんな事を言われたくは無いと思う。ザックスは携帯が止まってしまったから個人的に連絡を取れるツールがなく、最近かの有名な糸電話を手にしている。紙コップの底に糸を繋いだやつだ。っていうかそれ使えるのか!?、クラウドは心底そう思う。
「昨日さ、変なメールが来たんだよ」
ザックスの糸電話の利便性の有無について問うのもどうかと思ったクラウドは、とりあえずそれを脇に置いておいて、昨日のメールのことについてを打ち明けた。
メールの内容はちょっと告白みたいになっていて、だけどそのメールアドレスにはさっぱり心当たりがないということ。それから、今さっきそのメールに返信してみたということ。
それらの事実を打ち明けると、ザックスは「はは〜ん」だとか言ってニヤニヤ笑い出した。
「なるほどなるほど、お前もとうとう文明の利器を…」
「いや、その台詞さっき聞いたから」
「なるほどなるほど、お前もとうとうメールで告るようになったか」
「いや、だから。俺じゃないから。知らない人だから」
話を聞いているんだかいないんだか、ザックスはてんでトンチンカンな事を言ってクラウドをガックシさせる。まあザックスはいつもこんな調子だから別に落ち込む必要もないんだけれど。
にしても、問題は謎の告白メールである。
返信したけれど、果たしてちゃんとクラウドの疑問が解決するは分からない。
「ザックスは知らない人からメール来たことある?」
「俺か?俺は知ってる奴じゃないと受話器貸せないからさ」
「……」
確かに糸電話は相手に一つの紙コップを持たせないと成り立たない。
――――――っていうか!糸電話はもう良いから!
そう突っ込みたい衝動を必死に抑えたクラウドは、もうこの話題には触れまいと思い違う話題を探し出した。
が、そういう時に限ってザックスが妙な行動をしたりする。
そう…何とザックスが紙コップもとい受話器をクラウドに手渡したのだ!
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