∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒溶けそう…
「そういえばルーファウス様…先日の取引の話ですが…」
「取引?カメレオンと人間の?」
「何言ってるんですか!仕事の話ですよ、仕事!」
「あ〜仕事かあ」
何があ〜だ、何が!そう思ったツォンだったが、よくよく考えるとそのリアクションも仕方ないかと思う。
ルーファウスはツォンの勤める会社の親会社の社長令息で、ついこの間まで副社長をしていた。けれどツォンと付き合うのをキッカケに、何ということか会社を辞めてしまったのである。そんな事が世間的に許されるのかどうかツォンには分からなかったが、ルーファウス曰く「家庭に入るから仕事を辞めるのは当然」らしい。
というかアンタのどこが家庭に入ってるんだ!という感じだったが、ルーファウスの中では家にいればそれが家庭に入るという事になっているらしい。故に家事洗濯セールスお断りはツォンの仕事である。勿論生活費は全てツォン持ちである。…悲しい。
まあともかくそんなこんなで家庭に入る(自称)事になったルーファウスは、きっぱりと仕事をやめてしまったものだからすっかり仕事の事を忘れてしまったのである。
それ以前は系列会社ということもあって良く仕事の話もしていたし、それどころかツォンの手助けまでしてくれたルーファウスなのに、最近はそれもすっかり出来なくなってしまった。
うっかり仕事の話をしてしまった自分に思わずツォンは苦笑する。
今更ルーファウスがそんな事を手伝ってくれるはずがないのに。
そんな事はルーファウスと付き合いだしてから分かっていたことなのに、きっと風邪のせいで気が動転していたのだろう。
「すみません、何でもありません」
「何でもないのか?じゃあ言うな、仕事の事なんか」
「…容赦ないですよね、ルーファウス様って」
「よう、しゃーないなあ」
「……」
スゴク寒い。
「まあ仕方ないな、お前は変温動物だから今回は許すぞ。それより早く風邪を治すことだ。私も協力してやるぞ」
「え…」
まさかルーファウスの口からそんな言葉が出ようとは!
ツォンは思わずジーンとしてしまう。…が。
「餓死したくないからな」
「……」
―――――――――そこかよ!!
ツォンは思わず心の中でそう突っ込んだが、それもやっぱり仕方ないと思う。
だって、ルーファウスを恋人にした時からそれは分かっていたことだったのだ。それが証拠にルーファウスは、仕事を辞める事をツォンに告げたときにこう付け加えていた。
私を恋人にするということは全ての責任を負うという事だ、と。
そう言われた時には何も考えなかったが、今思えば……まあ良い、済んだ事は仕方がない。それに、その条件を飲んでこそルーファウスが隣にいてくれるのだから。
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