∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒好きで好きで…


 
 
 あんまりの寂しさに耐え切れなくなった日、クラウドはセフィロスに電話やらメールをしてみたものだが、まだ仕事中だったのか返答は一切無かった。此処で返信が来るとか声が聞けるだとかがあれば少しは緩和されるのにいっつもバットタイミングである。
 そんな訳でクラウドは、たまたま出歩いた時に見つけたでっかい抱き枕を購入した。円筒形をした長さ2mくらいのやつだ。
「丁度セフィロスとおんなじくらいの高さかな?」
 クラウドは独りきりの高級マンションの中で、買ってきた抱き枕をギュッと抱きしめた。うんともすんとも言わない抱き枕はぺにょっとして頭を垂れてしまうけど、さすが抱き枕だけあって抱きしめ心地は良い。
「もう良いや。今日からこれをセフィロスだと思って過ごそう」
 ぱふっと顔を埋めたクラウドは、暫し目を瞑って枕をだっこした。
 しかし、待てども待てども枕は枕なわけで何のリアクション一つない。当然キスしてくれるわけでもなく、むっつりダンマリを決め込んでいるときたもんだ。
 …やっぱりこれをセフィロスと思うのには少し無理があるかも。
 いや、大分無理がある。
 思わず溜息をついたクラウドは、試しにその枕にセフィロスの髪のような銀色の物体をくっつけてみたがてんで良い感じじゃなかった。…やっぱりアルミ箔じゃ駄目らしい。それから油性マジックで厳しい顔なんかも書いてみたがやっぱりどうも駄目だった。っていうかこれじゃ福笑いだ。
「あ〜もう!セフィロスに会いたいよ〜!会社のバカ!アホ!」
 悔しさと寂しさのあまり福笑い状態のセフィロスニ号をボンとどっかに投げたクラウドは、足をジタバタさせてそう叫ぶ。この際この高級マンションのローンが会社の給料によって賄われているという事実はブラックホールにポイ捨てである。
 もう耐えられない!この前会ったのって何時だ!?
 指折り数えたクラウドは、衝撃の事実にあんぐりと口を開けた。
「さっ…三ヶ月?三ヶ月も会ってない!!!」
 どうりで最近何だか妙に寂しかったわけである。大体セフィロスは一ヶ月に一回は返ってきていたからこれは異例の事だ。こんな事態は有り得ない。っていうか現実に起こってるけど有り得ないと言い切りたい。
 しかしそんなクラウドの衝撃の事実の隣では、またしても熱い新婚カップルが夜の営みを始めるのであった…。
『きゃはは!あは〜ん、イイ感じぃ…』
『ガハハ!バキューム!!』
『ああ〜ん』
 ――――――何がバキュームだあああああああ!!!!
 怒り心頭のクラウドは、思わず隣室との壁をガンと蹴った。しかし一向にバキュームは止まらないらしく返って空しくなったのは言うまでもない。しかしそれでも怒りの止まらなかったクラウドはセフィロスニ号を相手に、何で返ってこないんだ、とか、この深刻な事態を理解してるのか、とかやたら説教を喰らわせた。セフィロスニ号はそれを無視している。
 と、そんな時。
 

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