∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒もっと酷くしていいから


 じっくりゆっくりまったりの三拍子でしか薔薇色の営みができないルードにとって、こんなふうに急かされてはどうも調子が出ない。がしかしルーファウスが求めてくるから取り敢えずは返さねばならない。だからそれを返してみるのだが、自分のペースではないからどうにもこうにも上手くいかない。…要するに悪循環なのだ。
 じっくり攻めていると、ルーファウスに「まどろっこしい!」と怒られる。
 ゆっくり攻めていると、ルーファウスに「遅い!」と怒られる。
 まったり攻めていると、ルーファウスに「飽きる!」と怒られる。
 だもんだから本来の優しい手つきはやめて頑張って荒々しくしているつもりなのだが、どうもそれはルーファウスにとってまだ甘いらしい。
 お蔭様で百万戸…じゃなくて、お蔭様でルーファウスに毎日同じ台詞を吐かれるハメになってしまった。
 もっと酷くして良いから!――――――これである。
 嗚呼、後無体な。そんな事が果たしてできようか。否、出来ない。思わず反語だ。
 ルードにとって「もっと酷く」などというのは有り得ない。ただでさえ酷くなどということは考えられんところを頑張って荒々しくしているのに、それを捕まえてこれは如何なものか。…とルードは思うのだが、ルーファウスはちっともさっぱりそれに気づいてはくれない。それどころか毎晩エスカレートするばかりなのである。
「甘ああい!もっと酷くしろ!もっと酷くして良いんだ!」
「そ…それは、でも…」
 ルードがもじもじしていると、ルーファウスは堪忍袋の緒が切れたかのようにルードの頭をスパコーンとはたいた。情事の最中だというのに。ギャグかオイ!…そうツッコみたい。
 しかしそうツッコむ暇すらなく喚きだしたルーファウスは、やれ酷さが足りないなんて愛じゃないとか、やれ酷くなきゃイケないだとか、いつも普通にイってる割にはそんなことを堂々と口にする。
 だもんだからルードも頑張るしかない。そりゃあもう果てまで頑張るしかない。
 しかしそれでも一向にルーファウスのお眼鏡には叶わないらしく、ルーファウスはとうとうこんな事を言い出した次第。
「…判った。そんなに酷くできないというならコッチにも考えがある!」
「えっ」
 まるで喧嘩越しだ。
 

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