∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒もっと酷くしていいから
ルードにとって、夜というのは怖い時間の一つだった。
何を突然という感じだが、これ実に切実な問題なのである。だって何しろ夜、夜といえば大人のお時間、大人のお時間といえば夜の営み…というワケで、ルードの悩みは正にその夜の営みという部分にあったわけである。
男たるもの、据え膳食わぬはなんとやら…―――――そりゃお膳立てされりゃあ誰だって美味しく頂くというものだ。それが好きな人だったりしたら尚更である。言うまでもない。
…がしかし。
とっても好きな相手にあれこれお膳立てされても、どうもノレないルードとしては、これは最早深刻な事態としか言い様がなかった。
ルードは黒服で世界をビュンビュン飛び回るような仕事をしている。
その仕事の際、「良いから殺っちまいな!」と言われていたある御曹司に、ルードはこともあろうに一目ぼれなぞをしてしまったのだ。それが運のツキというか何というか、ともかく外見とはそぐわないシャイなルードは、あれこれ世話をし可憐なデートを重ね、とうとうその御曹司をゲットしたのである。
嗚呼、どんなに薔薇色の生活が待ち構えているのだろう!?
ルードはそう心躍らせ、仕事なんかで世界を飛び回るわけにはいかないから特定地域の仕事にしてくれとまで言って御曹司との生活を優先したものだ。そのおかげで少々給与が落ち…というのはともかくとして、ルードは御曹司との薔薇色の生活を手にいれたわけである。
――――――――それなのに。
どうやらその薔薇色の生活というのは、ルードにとっては少々棘の厳しい薔薇であったらしい。それが証拠に今では毎日が怖い。何がって…そう、夜が。
「よし、ルード。今日こそは情熱的な夜にするぞ!」
そう啖呵をきってルードの服をめきっと破いたのは、紛れもなくルードの大好きな御曹司、ルーファウスである。
熱いアプローチにすっかりほだされてルードと共に薔薇色の生活をすることになったルーファウスは、ほだされすぎたのだか今ではすっかり情熱的という言葉がオハコになっていた。まあそれは構わないのだが、問題は彼自身が情熱的過ぎるという部分である。
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