∈「S−CLUB」∋
⇒何かあなたに
「変な奴、何で抵抗しないんだ?」
「え。」
そう言われて初めてクラウドは、自分が抵抗していなかった事に気付いた。心の中では「何でだ!?」とか思っていたにも関わらず、外見上はセフィロスをすっかり受け入れていたらしい。その事実に、クラウドは自分がビックリしてしまった。
「え。え。あれ、俺…変だな、だって」
突如、挙動不審になってそう言い出したクラウドに、セフィロスは本気で声を上げて笑う。因みにこれはすっごく珍しいことである。
クラウドはそんなセフィロスを見て呆気に取られていたが、少ししてホッとしたように笑った。それは別に、事に及ばなくてホッとしたわけじゃなくて、セフィロスがそうして笑ってくれたことにホッとしたのである。
セフィロスは体勢を立て直すと、髪をかきあげて、幾分真顔になってこう言った。
「悩みは吹っ切れた。俺はココにいよう」
クラウドはその言葉を聞いて嬉しくなったものだが、次のセフィロスの言葉に一瞬にして蒼褪めるのだった。
「お前を落とすまでな」
セフィロスの7周年。
それを思ってクラウドはルーファウスにある提案をした。
ルーファウスはその提案に天晴れといわんばかりに賛成する。
「おお、クラウド。それは妙案だな。実に良い。お前もたまには良いことを言うな」
「オーナー…俺のこと、すっごくバカにしてるでしょ…」
その提案とは、セフィロス7周年のパーティをしようというもの。
それはこじんまりした仲間内のパーティだったけれど、クラウドはどうしてもそれをやりたいと思ったのだ。
何か、セフィロスにしてあげたい。
何か、貴方に。
そう思ったから。
そのパーティの準備は円滑に運び、円滑に開催された。
その中でセフィロスは少しばかり思ったものである。
あの部屋にいつかクラウドを呼び寄せてみようかと……ちょっぴり本気で思ってしまったのだ。
あの部屋はセフィロスの趣味の部屋であるとクラウドは認識していたが、その実それはちょっと意味が違っていたのである。本当の家=仕事と考えて、仕事とは別物だから趣味の家という感じになってはいるが、あの部屋には過去、ヴィンセントもザックスも入ったことがあった。オーナーだってある。
ここ最近セフィロスがあの部屋に入り浸っていたのは、本気で考え事をしていたからだ。つまりあの部屋は本音を言う為にあるのであって、生活とは別空間なのである。
ヴィンセントやザックスやオーナーがあの部屋に入ったことがあるというのは、そうした真面目な話をセフィロスとできる仲であるという証拠、つまり親密度の高さを証明するものなのだ。
クラウドに対して本気で呼び寄せてみようかと思ったのは、勿論それの延長線上…。
もっと親密に…本気で落としてみるのも、面白いかもな―――――、
そんな事を、ちょっぴり思う。
END
⇒S-CLUBトップ
⇒メニューに戻る
⇒INDEXに戻る
|