∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒本当に、好きだよ
「いでえっ!!ちょ、何すんだよクラウド!」
「それはこっちの台詞だよ!どこ触ってんだよ、変態!」
「へ、変態…」
ガーン…
確かにキスがスムーズだった事でサクッとイケナイ所に手を伸ばしたのは認める。しかしだからって変態はなかろう、変態は。そう心の中でガックシと肩を落としたザックスは、折角此処まできたのにこれ以上進展が無いなんてと心底悲しくなってしまった。
誰もいない放課後の教室、キスまでOK、だけどその後も欲しい!!…そう思うのは罪か!?否、人情に違いない。ってかそれしかありえない。
という訳でザックスは、此処は何とかしてクラウドをその気にさせようと踏ん張った。
「あのな、クラウド。俺はクラウドの事が好きなんだよ。だから何ていうかこう、やっぱりキスしたら更に先にステップアップしたくなるっていうか何ていうか…」
「要するに、単にやりたいだけでしょ?」
「そうそう…―――って!違うから!いや、違わないけど違うんだよ!単にやりたいんじゃなくて好きだからそうしたいって事なんだよ!」
こんな説明をしていたら萌えたもんも萎えるに決まっている。
「クラウドだってそう思うだろ?な!?」
「全然」
「……」
ザ・玉砕。
その上クラウドはこんな事まで言う始末である。
「何かこれじゃ雰囲気に流されてるだけって感じがして嫌だよ。もっとちゃんとしてなきゃ嫌だ」
「ちゃんとって…」
良いムードになってキスをしてその後自然に…というのはちゃんとしていないのだろうか。ザックスにとってそれは実に自然な流れだったから、クラウドの言うちゃんとという奴がどんなもんなのかさっぱり分からない。言ってみればこれこそザックスにとっての「ちゃんと」なのである。
しかしどうやらクラウドの言う「ちゃんと」とやらは、随分と人里離れたところにあったらしい。クラウドはそれを、ちょっと赤くなりながらボソリと口にした。
「こ、こういうのって…やっぱ特別な事だろ?だから、よろしくお願いしますってちゃんと言って心の準備した後じゃないと駄目だと思う」
「……」
婚前交渉はいかん、初夜は大切に―――――ザックスはその精神をそこに見た…。
どうやら本来のクラウドはかなりシャイ(?)らしい。しかも昨今には珍しいモラルの高さである。と考えると、この放課後の教室でこのままちょっぴりエッチな事をするというのはなかなかどうして厳しいことじゃないか。
「そっか…そうだよな」
ごめん、そう言って引き下がったザックスは、クラウドにつられて「これは悪いことをした」と反省モードに突入した。まあ言われてみれば、雰囲気に呑まれたかなという気がしないでもない。…ステップアップしたかったのは本心だけど。
そんな訳でクラウドから離れたザックスは、今日のところはキスを堪能しようともう一度キスをして健全なラブラブタイムを満喫したのだった。
そんな二人がステップアップしたのはそれから数日後のこと。
クラウドが言うように三つ指を付いて「よろしくお願いします」と頭を下げた後にコトを始める事になったのは言うまでもないが、それはそれでザックスをじーんとさせた。
やっぱりちょっぴりクールな素振りを続けていたクラウドだけど、そんなときはやっぱりシャイだったから、それが何だか嬉しかったのである。
やっぱ、本当に好きだなあ。
そうしみじみ思うザックスの残るスクールライフは、それ以降本当にラブラブハイスクールライフに変貌したのだった。
教科書を忘れたら怒られながらも借りて、昼食には非常階段でいびつな形をしたおにぎりを食べて、放課後の教室ではこっそりキスをして。
そうして最後は、二人で一緒に卒業する。
END
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