∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒あなただけ感じてる
唐突に臨時休業にされ、唐突にルーファウス専属エステティシャンに早代わりをさせられたセフィロスは、だだっ広い部屋の中でたった一人のお客様…ルーファウスの相手をしていた。
今や売れっ子の看板エステティシャンになったセフィロスだったが、彼は特に天狗になるようなタイプじゃなくて、それどころか未だに基礎しか分からないとか何とか言っている。しかし、ルーファウスにとってそんなことは最早どうでも良かった。
臨時休業にまでして手に入れた、念願のセフィロスのエステ。
それはとろけそうに気持ちよくて、ルーファウスをぽわんとさせる。
「本当にお前だと気持ち良いなあ。何でだろう、キングだと全く何も思わないんだ」
ルーファウスが本心からそう言うと、セフィロスは少し笑ってこう聞いてきた。
「気持ち良いというのは…例えばどんな感覚だ?」
「ええと…そうだな、ちょっとドキドキするかな。それで、その感覚が満足に変わっていくんだ。それが気持ち良い」
「なるほど。じゃあ…それは恋だ」
「は?」
何だそりゃ?
そう思ってルーファウスがぽかんとすると、セフィロスは可笑しそうに笑った。そうした拍子に長い銀髪が揺れて、ルーファウスの体にさらっとかかる。くすぐったい。けれど、何だかドキッとする。
「二人きりになった瞬間、恋するらしい。この人に触られてるんだ、という感覚が気持ちよさになる。って、客が言ってたぞ」
「…なんかエロいな、それ」
「エロそうに思えて実際エロいことは出来ない。まあ、そういう寸止めみたいなところが良いんじゃないか」
「そうか、寸止めか…」
まあどっちにしろ儲けられれば何でも良いと思うルーファウスだったが、それにしても本来のエステという目的とは随分とずれたところで儲けが出ていることにはビックリだ。
セフィロスのような男が見れ、且つ触れられて(一方的にだけ)結果的に一応は綺麗になる(テクニックないけど)ということは随分と美味しいに違いない。…支払うギルは馬鹿高いけど。
「おい、セフィロス。言っておくが、私は寸止めは嫌だぞ」
「ん?」
「エロそうに思えるなら実際エロい事をしてくれた方が良い。じゃないと欲求不満になるからな。そもそも臨時休業にまでしないと私の場合はお前のエステが受けられないじゃないか!こんな不公平なことはないぞ」
「それはつまり…やれ、ということか?」
「そうだな。やってくれ。それが良い」
そんなちんぷんかんぷんの理屈によって、ルーファウスは、他の女性たちがどれだけギルを積んでも超えられないボーダーをサクッと越えてしまった。貸切状態の店内での密かな情事…これは二人っきりの、秘密。
そのエステ(+α)を受けて以来、ルーファウスは病みつきになってしまったものである。
その上、公然とヤキモチまで焼くようになってしまったものだからさあ大変。大人気エステは、ルーファウスの気分次第で随時臨時休業になってしまう、とっても気分屋な店に変貌していた。
その上…。
「おいこら!それはちょっと手つきがエロすぎるぞ!それだと女が勘違いするからな、もっと勘違いしなそうな感じにしなくちゃ駄目だぞ」
「そ、そうか…?」
独占したくて仕方がないルーファウスに捕まったセフィロスは、日々駄目だしをされるハメになったのである。まあ元々テクニックはないセフィロスのことである、何を言われてもヘッチャラなことはヘッチャラなのだが、あんまりにもルーファウスが必死なもんだから思わず笑ってしまうのだった。
END
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