∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒気持ちが溢れそうなの


「じゃあこれでまた現代人に戻れるね」
 クラウドは冗談まじりにそう言いながら笑った……が、ふとある事に気づいてピキンと表情を凍らせた。
 今、携帯の画面にはザックスの情報が示されている。
 それは良い、それは良いのだが―――――――このメールアドレスをどこかで見たような気になるのは気のせいだろうか?
「ん〜???」
 おかしいな?
 今日初めて教えてもらったんだからそんなはずはないけど…そう思ってクラウドがふいにメールの受信箱を見ると、そこには何故だか既に、ザックスのメールアドレスから数通のメールが来ていた。
「あれ、おかしいな?でもこれって…え?き、昨日…?」
 メールは二通来ていた。
 一通は未開封だったから今開けてみると、その内容は「俺はザックスだよ」だった。そうして開封済みのもう一通を見てみると、その内容は…
「…って、これ…あの告白メールじゃん!!!」
 そう、あの告白メールはザックスのメールアドレスから送られたものだったのである。
 ということは、つまりこれは。
「ザックス〜!ハメたなあああああ!!!!!」
「あはは!今更気づいたのか!どうりで昨日気づいてないなあと思ったんだよな!」
 どうせハメるんなら昨日のうちに違うトコをハメときゃ良かったなんて言ったザックスを、クラウドは見事にスパコーンと叩いた。とっても良い音である。
 昨日あれほど怖がっていた告白メールと見えない影は、全てが全て、ザックスの仕業だったのだ。そう考えるとクラウドは煮えくり返った腹をなかなか元には戻せなかったものである。怖いからこそあれほど情けない状態でも仕方ないと思っていたのに、これではただの馬鹿じゃないか!
 クラウドはそう怒っていたが、一方のザックスはすっきりとした笑顔を見せていた。
「まあたまには良いだろ?ちょっと怖がらせてみよっかなあと思ったら本気で怖がってるから引っ込みつかなくなってさ。それにあの告白メールは嘘ってわけじゃないんだし」
「何言ってんだよ!もうザックスの罠には引っかからないぞ!」
 相変わらず怒っているクラウドにザックスは、いやいや本当だって、などと言うと、あの告白メールは俺のホントの気持ちだから、と最後に付け加えた。
 だもんだから、クラウドは思わず目が点になる。
 嘘ってワケじゃないって…噂は本当にあるって意味じゃないのだろうか?
 そうじゃなくて、あの告白メールが…というか告白が本当だということか?
「え?え?え…?」
 思わず「え」を連発したクラウドに、ザックスはひょいとお役御免の糸電話を渡した。そうして、その糸電話の向こうからハッキリとこう言ったのである。
 『気持ちが溢れそうなほど俺はお前が好きなんだ!』、と。 
 
 END


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