∈「LOVEx2 TIME」∋
⇒好きで好きで…


 ポンポーン…
 そのインターフォンの音にダダダダと駆けたクラウドは、セフィロス三号を迎えるべくドアノブをガチャッと回した。そしてとうとうセフィロス三号に対面することになったのである。
 セフィロス三号は、笑っていた。それは、とても懐かしい感じのする笑い。
「ただいま」
 そう一言告げられて、クラウドはじんわりしながら口をわなわなさせた。こんな感動があるとは、生きているって素晴らしい。嗚呼、神様仏様ホーリー様ありがとう!そうとさえ思ったほどだ。
 がしかし、クラウドのテンションはやはりまだ上がりっ放しだったらしい。
「セ、セフィロス三号!何て巧妙な作り!これならキスだって出来ちゃうかも…!」
 本気でそう言ったクラウドの頭に、丸まった雑誌がスパコーンとホームランを打ってくる。
「バカ者!本物だ、俺は」
「セフィロス一号!?」
 だからその一号とかニ号とか三号とかは何なんだ!?とツッコミたいのを必死に抑えたセフィロスは、ともかく本物であることを証明する為にクラウドにキスした。それはセフィロスニ号との極秘キスで感じたへにょっとした感覚ではなく、じんわり暖かいもので、クラウドはやっとそれがセフィロスなんだという実感を持つ。
 たった三ヶ月、されど三ヶ月。
 そんな期間を超えてやっと出来た再会は、本当にクラウドを感動させた。感動させて、思わずセフィロスにしがみつく。これはきっと最高のプレゼントである。
「おかえり!」
「ああ、急だったけどな。まあ明日は休みだし、少しはゆっくりできるだろう」
「ホントに!?」
 その言葉に喜んだクラウドは、ぱっと顔を明るくさせるが否や、ガッツリとセフィロスの腕をつかんで部屋の中へと進んでいった。引っ張られる状態になったセフィロスは、何だ何だという具合になっている。
 しかしクラウドの言い分を聞いて、ははあ、なるほど、と納得してしまう。
 クラウドの言い分とはこれだった。
「聞いてよ!セフィロスがいない三ヶ月の間に隣に引っ越してきた新婚あつあつカップルが毎晩毎晩毎晩毎晩俺にひどい仕打ちをするんだよ!バキュームだよ!毎日あ〜んとか言ってるんだよ!ひどいだろ!?思い出すだけでもふつふつと怒りが…!」
 どうやら隣室の熱い一時は、今日の分は終了したらしい。だから今は聞こえないが、正にさっきまでそれを聞いていたクラウドとしては許せるはずがない。
 しかし今日はいつもと違う。何故って今日は、此処にセフィロスがいるのだ。
 セフィロスはそんなクラウドを見てニヤニヤ笑うと、なるほどなるほど、と尤もらしく頷く。
「という事は要するに欲求不満なんだな、お前は」
「そうなんだよ!」
 否定しない所が素晴らしい。天晴れ。
「つまり帰ってきたばっかりの俺を押し倒そうと思ってるんだろう?」
「当然だよ!」
 それ以外に何かあるの、くらいの勢いである。
「本当にお前は…まあ良いか。同感だ」
「でしょ!?」
 …要するに似た者同士なのかもしれない。
 二人は早速うきうきとベットに雪崩れ込むと、濃厚なキスをしてホットな一時をスタートさせた。あんまりにも寂しかったクラウドの心はじんわりと満たされ、クラウドには語られることがなかったものの仕事でムッスリしていたセフィロスの心も次第に満たされていく。
「あー…やっぱ一号って最高…」
「その一号とか何とかいうのは止めろ。俺が本物だ」
「うん、ごめんね、一号」
「……」
 そうする間もベットの隣にあった福笑い状態のセフィロスニ号(※抱き枕)が気になって仕方ないセフィロスであった。
 でもそれは、好きで好きで仕方無い証拠品。
 

END


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